残留塩素とは
残留塩素とは、塩素処理の結果、水中に残留している有効塩素をいいます。
次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンなどの遊離型有効塩素を遊離残留塩素、モノクロラミン、ジクロラミンなどの結合型有効塩素を結合残留塩素といいます。結合型残留塩素の殺菌力は遊離残留塩素に比較すると弱い。
結合残留塩素は全残留塩素と遊離残留塩素の差から求められます。
有効塩素とは
残留塩素と有効塩素は同義語で、ここでは高濃度全残留塩素を低濃度残留塩素と区別するために有効塩素と称します。高濃度残留塩素水は次亜塩素酸ナトリウムの希釈等で使用される例が多い。
MLSSとは
Mixed liquor Suspended Solidの略。
バッキ槽内の活性汚泥浮遊物質を意味し管理上重要な測定項目。
標準活性汚泥ばっき槽の場合、約1000~3000mg/Lの濃度が維持管理の目安とされていますが、流入BOD負荷 (濃度と流量)や処理槽の容積又は処理方式によって管理目標値が異なります。
MLSS濃度の最適運転目標値はその排水処理設備の内容と長期の維持管理で得た管理技術者の高度な管理技術に依存しなければなりません。
全リン・リン酸とは
全リン<T.P>
全リンとは河川水等に存在するリン化合物の総量を言い、測定単位はmgP/Lで表される。リン化合物は生活排水、工場排水、農業排水等が混入して河川水などに存在し、その増加は富栄養化による河川汚染の原因1こなる。この測定はペルオキソ2硫酸カリウムで加熱分解してからモリブデンブルー法で比色測定する。
リン酸イオン<PO4>3-
水中1こイオン状態(PO4)3-)で溶解しているリン化台物で測定単位は㎎/(PO4)3-で表される。全リンとは区別される。
リン酸性リン<P04-P>
水中にイオン状態で溶解しているリン化合物で水中のリン酸中のリンを言い・測定単位は㎎P04-P/Lで表される。全リンとは区別される。
全窒素とは
全窒素
無機性窒素及ぴ有機性窒素の総量を表したものである。
無機性窒素とはアンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素を言う。
有機性窒素とはたんぱく質を初め種々の有機化合物の窒素を言う。
測定方法
1:全窒素をアルカリ性ペルオキソ2硫酸カリウムで加熱分解を行い→放冷後生成した硝酸を紫外線吸光度計で測定する万法で高精度に測定できる全窒素測定方法(TNP-2000)
2:検水を加熱分解→放冷後生成した硝酸を試薬を加えて亜硝酸に還元して比色測定するもので、現場で全窒素を測定するのに便利な簡易型、全窒素比色方法。(TN-1Z,TP/TN-2Z)
DOとは
Dissolved Oxygenの略。溶存酸素の意味。測定単位はPPM又はmg/Lで表す。
DOは、水の温度により飽和溶解度か違う。例、20℃→8.84mg/L,0℃→14.16mg/L
DOは、水(又は空気)の圧力によっても溶解度が違う。温度が20℃、2気圧では飽和溶解度は倍になる(17.68mg/L)
DOは、炭酸同化作用によって増える。水中に水生植物や藻等が生息していると夜間酸素が放出され増える。
PPMとは
Part Per MIllion の略。百万分の一の意味。mg/Lと同義語。1mgの酸素ガスが1Lの水に溶けていることを1mg/Lといいます。
オゾンとは
オゾンは酸化力が強く、有機物質の不飽和結合を切断する能力があります。 このため、不飽和結合を有する臭味物質の分解、生物難分解性有機物質の生物易分解性化や染料 等の着色物質の脱色に用いる。その他、除鉄、除マンガン、ウイルス不活化、殺菌、殺藻にも用います。
刺激臭のある有毒ガスであり、オゾン処理後に排気される残存オゾンは排オゾン処理工程で処理する必要があります。
ORP(酸化還元電位)とは
0xidation(酸化)、Reduction(還元)、Potential(電位)の略
酸化とは物質(イオン、原子)が電子を放出することであり、還元とは物質(イオン、原子)が電子を得ることであると定義されている。
酸化還元反応は純化学的酸化還元反応と微生物が無機/有機化合物を酸化還元する反応に分類することができる。
例えば、排水処理における硝化反応(NH4→N02→N03)、溶存酸素の制御等にも酸化還元反応が関与しているので0RPを測定することで窒素・リン・COD等の挙動を知ることができ、0RPは水質の重要な指標である。
塩化物イオンをなぜ測定するのか
塩化物イオン
塩素イオンとは水中に存在する塩化物を言う。塩化物は主として生活排水中に含まれ、 特にし尿には塩化物が多量にあるので、し尿を多量に含む下水は塩化物イオン濃度が高い。
塩化物イオンの濃度は汚染の一つの指標となります。
人間のし尿には約5500mg/Lの塩素イオンが含まれています。
浄化槽の放流水の塩素イオンを測定することによって希釈倍率を求めることができます。
電気伝導率とは
電気伝導率(比電気伝導度又は導電率ともいう)とは、断面積1cm2、距離1cmの相対する電極間にある溶液の25℃における電導度をいい、ジーメンス(S)/cm又はマイクロジーメンス(μS/cm)で表す。
電気伝導率は、水中に含まれる陽イオン、陰イオン合計量に関係があり、原水への下水、産業排水、海水の混入の推定や、給水栓水の配水系統の違い、クロスコネクション、漏水の判定などに利用できます。
CODとは
水中に含まれる有機物質質量の指標の一つ。化学的酸素要求量のこと。CODとは、水中の被酸化性物質が酸化剤で化学的に酸化されるときに消費される酸化剤の量を対応する酸素の量で表したものです。酸化剤として、過マンガン酸カリウムや、重クロム酸カリウムを用います。
BODとは
水の汚濁状態を表す有機汚濁指標の一つ。生物化学的酸素要求量のこと。水中の還元物質が、微生物の呼吸作用により酸化される際に消費される酸素量。通常20℃、5日間で消費された溶存酸素量をmg/Lで表す。硝化細菌が多く増殖し、硝化の進んでいる試料では、通常のBODの測定により得られる値(標準BOD)は、有機物質が生物化学的に分解され安定化するために要する酸素量(C-BOD)と、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素が硝化細菌により酸化されるために要する酸素量(N-BOD)の和である。 標準BOD=(C-BOD) + (N-BOD)
TOCとは
有機汚濁指標の一つ。全有機炭素とも言う。水中に存在する有機物質中の炭素量をmg/Lで表したものです。
測定には主に燃焼-赤外線分析法が用いられます。少量の試料を高温(900~950℃)で燃焼させ、発生した二酸化炭素量を測定し、全炭素量を求めます。別の試料を有機物質が分解されない温度(約150℃)に保ち、生成した二酸化炭素量を測定し、無機炭素量を求める。全炭素量から無機炭素量を引いた量をTOC量とします。